中国2022年上半期、それでも医薬30社がIPOを果たす!
1.全体情勢 バイテク企業の資金調達を取り巻く環境、山あり谷あり、ですが今は全世界的に我慢の時代に突入しており、アメリカでも多くのバイテクがリストラ・プロジェクトの売却等に走っています。米国のインフレや利上げで米国の投資資本が世界的に引き潮になっており、中国・香港も例外ではなく、米国マネーが逃げております。 中国の未公開のバイテク企業への投資は、まず中国に長らく根を張っている米国系の投資会社が対象の医薬技術・人(トップ)の目利きの役割を果たしてシード投資、その後中国系のマネーがどっと入って来るのが一つの典型例です。そして中国のIPO市場としては、規模が最大で重要な香港市場でもやはり米国系マネーが大きな役割を果たしてきました。ところが昨年の秋以降、米国マネーの潮が引き、さらに中国の国内的な要因も重なり、未公開企業への投資およびIPO市場が冬の時代に入っています。 2.上海・深センでのIPO そんな中にあって、上海や深圳の株式市場は健闘しており、2022年上半期、投資総額では全世界のトップとNo.2の地位を占めるに至りました。医薬分野ではこの上半期に26社がIPOを果たしました。株式市場別の内訳は下記の通りです。 株式市場 IPOを果たした医薬企業の数 創業板(深セン) ChiNext 10社 科創板(上海) The Science&Technology Innovation Board 9社 香港株式市場 5社 上海主板 2社 各株式市場でのIPO時の調達額(会社別)は下記のとおりです。以前の香港市場でのIPOと比べても控えめな数字との印象は否めませんが。 1)香港、深セン(創業板) IPO企業(2022年上半期) 調達額(億円) 誠達薬業 351 采納 136 華康医療 217 華蘭ワクチン 455 西点薬業 91 何氏眼科 260 泰恩康 235 富士莱 221 天益医療 102 普蕊斯 140 2)上海(科創板) IPO企業(2022年上半期) 調達額(億円) 亜虹医薬 505 邁威生物 695 賽倫生物 179 和元生物 240 […]