川本バイオビジネス弁理士事務所
KAWAMOTO Life Science IP Advisories

ライフサイエンス技術の ビジネス化
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最新情報

中国CRO各社の2020年度業績・活用について

中国のCRO(受託で試験研究を行う会社)・CDMO(受託で化合物・治験薬等を製造する会社)各社の2020年度業績が公表されました。公表されている29社の売上高の総額は、前年比35%伸びています。中国では、このCRO・CDMOは一般に下記のカテゴリーに分けられます。① 新薬の前臨床試験を広く受託する総合型CRO・CDMO、② ジェネリックの試験を受託する総合型CRO・CDMO、③ 低分子化合物等のCDMO、④ バイオ系のCRO・CDMO、⑤ 薬理・毒性に特化した試験を受託するCRO、⑥ 臨床試験を受託するCRO(clinical CRO) [続きを読む]

中国の受託研究機関(CRO・CDMO)の発展

中国のCROは、元々ジェネリック薬の合成・CMC等の受託研究をする機関でした。それが、2000年初頭、药明康德(WuXi)に代表されるような新薬研究の受託CROが勃興しました。それらのCROは、欧米のMNC(多国籍企業)から新薬に関連する非臨床研究(合成、毒性、薬理等)を受託するというビジネス・モデルで、上海を始め各地で旗を上げました。そして、あるCROは特定のMNC向けに代謝研究等を行う専用ビルを建設するなど、グローバル基準に則った試験の実行体制が整えられました。 [続きを読む]

海南省でRWD/RWS開始、 海外上市済薬剤の承認申請が加速

海南省において経済成長の柱は、医療、旅行・バケーションとして、低炭素/生態系保存の社会体系を構築し、国際的な機関が集結する地域を目指すとしています。「医療」の目玉の一つが、新薬・医療機器の承認・市販後調査に関し、海南島を起点として中国全土に展開する、RWD(Real World Data:リアルワールドデータ)のプラットフォームを構築するというものです。RWD(Real World Data)ですが、プロトコールで制御された臨床試験により得られるデータに限定されず、医療の現場で実際に医薬品・医療機器が患者に使われた際に生まれるデータを意味します。そういったデータを新薬等の承認審査に利用していこうという構想です。  [続きを読む]

国家戦略地域として新たな発展を遂げる海南省

海南島は、中国の最南端にある中国最大の島で、面積は台湾とほぼ同じ、そして、政治的に注目を浴びている南海に向かって浮かんでいます。従来の印象としては、新婚旅行で行く美しい海岸、それと、欧州のダボス会議に対抗してボアオ・アジア会議が開催される所、くらいの印象でした。ところが、2020年に「海南島」が国家戦略地域に指定され、自由貿易地区を展開すると宣言されてから、俄然、経済的にも注目される地域となってきました。 [続きを読む]

科創板の上場要件(IPO要件)(上海証券取引所・科創板(The Science and Technology Innovation Board; STAR Market))

科創板(The Science and Technology Innovation Board; STAR Market)がこの6月に創設2周年を迎えます。3月末までに、IC集積回路、医薬バイオ、新素材、ハイエンド製造等の分野の251社がIPOに成功しました。内56社が医薬バイオ関係会社です。全体の中で医薬バイオ関連企業が占める割合は22%です。一方で、これまでに95社がIPO申請を取り下げており、内11社が医薬バイオ関連企業です。特に直近の3か月にIPO申請の取り下げは、57社と相次ぎました。 科創板の上場中止が相次いだ原因 こうしたIPOの中止や取り下げは、科創板(Star Market)の「上場基準(IPO)」の変更、厳格化に起因しています。 [続きを読む]

処方薬の電子商取引(医薬品のネット販売)の具体化について政策が発表される

「六保、六穏」とは、2018年に中国政府が打ち出した政策で、国民の就業機会および生活の基本等を「確保」することによって、企業が事業を行うビジネス環境の整備・「穏健」化を図り、投資の推進に結び付けようというものです。この政策実施の一環として、2021年4月15日に国務院が新たに政策文書を発表しました。 「六穏」「六保」の基本政策概念を更に進めて行政管理の簡素化を推進する為の指針(关于服务“六稳”“六保”进一步做好“放管服”改革有关工作的意见)国办发〔2021〕10号 [続きを読む]

哈薬集団(Harbin Pharmaceutical Group)

中国の東北地方(満州)の黒竜江省・ハルピン市を発祥地とする老舗企業、ハルビン製薬 (哈药/Harbin pharma) (600664/SSE) 。国有企業をルーツとし、経済的に停滞が続く地域に本拠を構えていたハルピン製薬は、2004年に外部資金を導入するも、2014年以降、業績が下降線を辿っている。その立て直しとして、2018年には国の持ち株比率を38%にまで抑え、続く2019年、元中国ノバルティスのトップを総経理として迎え、外部人材を続々と投入、北京市内の瀟洒なビルに営業部隊を編制する等の変革を試みてきた。 [続きを読む]

2020年中国バイテク企業が獲得した融資金額トップ3

2020年は、中国の医薬バイオベンチャーの起業やIPOが活況でした。2020年の一年で、1660件の新規投資が成立しており、その一件当たりの投資額のサイズは40億円程度でした。2020年、投資額ランキングのトップ3をご紹介します。 [続きを読む]

2020/12/3 ウェビナー 「生の中国 / 新薬の臨床開発·事業化」

この度、「新薬・日中未来」セミナー研究機構を立ち上げました。ここ数年、一気に、多彩な変化を遂げつつある中国。断片的な情報は得られても全体の繋がりが分からない、その全体像を捉えるのが非常に難しいといった声を耳にします。そういった中国情勢を肌感覚で分かっている中国現地の方であって同時に日本の情勢にも明るい中国の演者が「生の情報」をご提供します。 今の中国の変化を日本独自の立場から捉えて考えて頂く機会をご提供できればと希望しております。 初回は、コロナ後、世界市場の中で益々、重きをなして行くであろう中国の「新薬ビジネス」の潮流を理解して頂く為に、新薬の「投資」・「事業」・「知財」・「臨床試験」を取り巻く環境の変化について、生の現場に身を置いている夫々の専門家・業界リーダーからポイントを絞って語ってもらうセミナーを開催する運びとなりました。今回はweb開催となりますが、奮ってご参加下さい。新薬の中 [続きを読む]

中国での医薬品知財の動向と特許法の第四次改正(前半) ~ 特許法の第四次改正法案の公表(2020年7月)を受けて

医薬品の分野が、米中間で政治問題化している通信・IT分野と異なっている所は、中国が医療分野で大きな国内問題を抱えていており、その制度改革と表裏一体の関係にあることです。医薬品の流通、薬価、保険、製品の品質等の問題がそれです。 この記事では改革の方向性や知財制度改正の3つのポイントを取り上げます。 [続きを読む]