【恒瑞医薬】海外R&D事業展開の子会社を設立―中国の医薬品企業も国際化へ


最終更新日: 2022/05/26

2022年5月18日、恒瑞医薬はR&D事業の国際化を推進することを目的として、「Luzsana」を子会社として設立すると発表しました。

恒瑞医薬の2021年海外R&D費用は約235億円であり、全体のR&D費用の20%弱を海外に投入していることになります。人員面では、海外R&D要員は170人、そのうち米国が104人、欧州が50人となっています。臨床開発中のプロジェクトとしては、自社開発の抗がん剤2品目のCamrelizumab(PD-1抗体)とApatinib(抗VEGFR2阻害剤)の併用に関する国際共同治験PhaseIIIが終了し、主要エンドポイントを達成したと公表(5月12日)。この国際共同治験には13か国、95センターが参加した恒瑞医薬の最初の本格的プロジェクトでした。中国では申請が受理され、米国では当局と折衝中とされています。。

今回新設立されたLuzsana社は、11プロジェクト(うち8品目ががん領域)のグローバル開発の推進を担い、拠点としては、アメリカ・プリンストンに本社を、欧州(スイス)と東京にオフィスを構えるとしています。

中国の医薬品企業の研究開発部門の本格的な国際化、そして、日本への本格進出のための第一歩が記されたと言えます。

Author Profile

川本 敬二
弁理士 (川本バイオビジネス弁理士事務所(日本)所長、大邦律師事務所(上海)高級顧問)

藤沢薬品(現アステラス製薬)で知財の権利化・侵害問題処理、国際ビジネス法務分野で25年間(この間、3年の米国駐在)勤務。2005年に独立し、川本バイオビジネス弁理士事務所を開設(東京)。バイオベンチャーの知財政策の立案、ビジネス交渉代理(ビジネススキームの構築、契約条件交渉、契約書等の起案を含む)を主業務。また3社の社外役員として経営にも参画。2012年より、上海大邦律師事務所の高級顧問。現在、日中間のライフサイエンス分野でのビジネスの構築・交渉代理を専門。仕事・生活のベースは中国が主体、日本には年間2-3か月滞在。
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