日本では、高度成長時代ならまだしも、今、「国家戦略」という言葉を聞くと少し、白けた雰囲気が漂ってしまうかもしれません。 一方、戦略の欠如が社会の停滞感を引き起こしているようにも思います。日本では、個人が戦略を練って生活、仕事をしていく(そうすることができる)、一歩進んだ時代に入っているのかもしれません。

中国は、まだまだ若い社会、国家戦略によって社会が期待されるべき方向に動いて行き、それが人々の大きな活力に繋がっているように感じます。対外的にインパクトのある中国の国家戦略はシルクロード計画(一带一路)です。他方、対内的に重要なのは、重点地域をピックアップして重点的に投資して波及効果を狙うというもので、具体的には、「北京・天津・新首都」、「揚子江流域(上海~上流の成都・重慶)」、「揚子江の下流域(上海、南京、蘇州、杭州等)」、「広州・深圳・香港・マカオ」の4地域内での一体化を進めて経済発展を促すというものです。そして、近年、これに「海南島」が加わりました。海南島は、中国の最南端にある中国最大の島で、面積は台湾とほぼ同じ、そして、政治的に注目を浴びている南海に向かって浮かんでいます。従来の印象としては、新婚旅行で行く美しい海岸、それと、欧州のダボス会議に対抗してボアオアジア会議が開催される所、くらいの印象でした。ところが、2020年に「海南島」が国家戦略地域に指定され、自由貿易地区を展開すると宣言されてから、俄然、経済的にも注目される地域となってきました。

例えば、国内で唯一の免税地域として、本土から来る人は約150万円まで免税で買い物ができるようになりました。また関税をゼロにし、法人税や所得税も優遇することで外資企業を誘致し、ビザなし渡航も広げます。カジノや競馬も海南島においてのみ解禁されます。(香港やマカオの実質的な価値を下げ、海南島に代替させる思惑があるとも言われています。)さらに博鳌乐城(ボアオ ホープシティ)という医療ツーリズムの中心も建設します。

そして、我々の医薬バイオ分野でも、この国家戦略地域の「海南島」で大きな動きがあります。それは、RWD(Real World Data)関連の政策推進です。(明日の記事「海南省でRWD開始、 海外上市済薬剤の承認申請が加速」に続きます。

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