哈薬集団(Harbin Pharmaceutical Group)
中国の東北地方(満州)の黒竜江省・ハルピン市を発祥地とする老舗企業、ハルビン製薬 (哈药/Harbin pharma) (600664/SSE) 。国有企業をルーツとし、経済的に停滞が続く地域に本拠を構えていたハルピン製薬は、2004年に外部資金を導入するも、2014年以降業績が下降線を辿っている。その立て直しとして、2018年には国の持ち株比率を38%にまで抑え、続く2019年に元中国ノバルティスのトップを総経理として迎え、外部人材を続々と投入、北京市内の瀟洒なビルに営業部隊を編制する等の変革を試みてきた。
しかしながら2020年も業績悪化が止まらない。売上高は1800億円と前年同期比8.8%の下落、そして赤字決算。抗生物質、CV、抗癌剤分野で25-42%の売り上げ減。また、2018年に健康食品・サプリメント分野で米国企業GNI社を買収(持ち株比率:40%強)したものの、2020年6月にGNI社は米国で破産申請という流れとなっている。
また、経営幹部の報酬額、更には営業経費等も大幅に増加したにもかかわらず、それが売りに結びつかず、2020年の売上高は8.8%減。研究開発(R&D)費用は前年度比26%減と抑え込まれ、様々な問題を抱えながら膿を出し切る方向にあれば良いものの、将来に暗雲が広がりそうな情勢。
Author Profile
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弁理士 (川本バイオビジネス弁理士事務所(日本)所長、大邦律師事務所(上海)高級顧問)
藤沢薬品(現アステラス製薬)で知財の権利化・侵害問題処理、国際ビジネス法務分野で25年間(この間、3年の米国駐在)勤務。2005年に独立し、川本バイオビジネス弁理士事務所を開設(東京)。バイオベンチャーの知財政策の立案、ビジネス交渉代理(ビジネススキームの構築、契約条件交渉、契約書等の起案を含む)を主業務。また3社の社外役員として経営にも参画。2012年より、上海大邦律師事務所の高級顧問。現在、日中間のライフサイエンス分野でのビジネスの構築・交渉代理を専門。仕事・生活のベースは中国が主体、日本には年間2-3か月滞在。
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