Tag Archive for: 復星医薬

全体状況

ヘルスケヤーのコングロマリット企業とも言えるFosun(复星医薬)は、医薬・医療機器・診断・健康サービス分野と多岐にわたる事業を「イノベーション」と「国際化」を旗印に展開。2022年上半期は、営業収入は約4300億円(前期比26%増)、経常利益は、約360億円(前期比19%増)。営業収入の海外比率は36%を占めている。海外事業関係は1400人を擁しており、米国、アフリカ、欧州等の地域で販売展開。

コロナ関連の開発の進展/新薬

  • 研究開発人員は2800人、2020年上半期の研究開発費用は480億円に上っている。
  • BioNTechから導入のコロナワクチン(mRNA)は、台湾、香港では上市済、中国は上市承認の最終段階にある。また、バイオシミラー等の複数の新製品を上市した。
  • アムジェンから乾癬治療薬、腎疾患薬の2剤の中国での販売権を取得。
  • 更には、子会社を通じてCAR-T細胞治療薬の上市承認を取得、販売を開始した。
  • 国内外を問わず新ビジネスの導入に貪欲であり、中国展開を図ると同時に、海外進出も進境著しい。

先月中国初の経口コロナ治療薬承認を獲得したばかりの真実生物(河南真实生物科技が、香港市場へのIPOを申請しました。

2022年8月4日に提出された目論見書によると、コロナ治療薬Azvudine(阿兹夫定の製造や商業化、治験のための資金調達ということです。発行する株式の数や調達予定額については記載されていません。

コロナ治療薬Azvudine(阿兹夫定)

Azvudine(RO-0622)はHIV治療薬として2021年7月にNMPAによって上市承認されたNRTI(核酸系逆転写酵素阻害剤)です。2022年7月25日にはCOVID-19を適応症に追加することを承認され、中国で初の経口コロナ治療薬となりました。

2022年8月7日には1錠約170円以下(35錠で300元未満)で購入できると発表されました。HIV薬としての価格が1錠500円くらいですから、利益率はかなり低くなりそうです。

Azvudineの商業化についてはすでに上海復星医薬と提携しており、160億円を受け取ることになっています。