中国発の免疫療法薬としては2番目の新薬が上市


最終更新日: 2021/04/24

Innovent Biologics(信達生物)のがん免疫療法薬 Tyvyt (sintilimab) が、12月27日に国家薬品監督管理局(NMPA)によって上市承認されました。これは、再発・難治性古典的ホジキンリンパ腫(cHL)治療薬で、PD-1阻害剤です。

これにより、中国で上市承認された中国発の免疫療法薬は2つとなりました。中国発の最初に上市承認されたのは、2018年7月26日の toripalimab です。いずれも中国でまず上市され、今後欧米でも上市される予定です。 sintilimab は中国国内において、中国の製薬会社と海外の製薬会社(イーライリリー)が共同で開発した、初の免疫療法薬でもあります。

中国において既に上市されている抗PD-1/PD-L1阻害剤は、中国発のこの2つの他には、ニボルマブ(商品名:オプジーボ)とイペムブロリズマブ(商品名:キイトルーダ)のみであり、Innovent の CEO は PD-1 阻害薬が中国の医薬品企業にとって海外企業と対等に戦うことのできる最初の領域になったと語っています。

sintilimab は4月16日に上市申請されたので、審査期間は255日ということになります。

Author Profile

川本 敬二
弁理士 (川本バイオビジネス弁理士事務所(日本)所長、大邦律師事務所(上海)高級顧問)

藤沢薬品(現アステラス製薬)で知財の権利化・侵害問題処理、国際ビジネス法務分野で25年間(この間、3年の米国駐在)勤務。2005年に独立し、川本バイオビジネス弁理士事務所を開設(東京)。バイオベンチャーの知財政策の立案、ビジネス交渉代理(ビジネススキームの構築、契約条件交渉、契約書等の起案を含む)を主業務。また3社の社外役員として経営にも参画。2012年より、上海大邦律師事務所の高級顧問。現在、日中間のライフサイエンス分野でのビジネスの構築・交渉代理を専門。仕事・生活のベースは中国が主体、日本には年間2-3か月滞在。
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