Tag Archive for: がん治療薬

中国社会は、政府の号令下に各分野でイノベーション推進にうなされていると言ってもいいような状況にあります。新薬の研究開発分野もご多分に漏れず、ここ数年の間に大きな進展を見ています。

2021年、中国の内資企業の新薬(新規有効成分NCEを含む薬剤/一類)のNDA申請(上市の為の承認申請)件数は、16件でした。日本の内資企業の日本へのNDA申請件数、比較データがないのですが、中国企業の数字もそこそこの所に来ているといった印象です。

申請企業 / 癌適応症等

NDA申請がされた薬剤の適応症は、約半分が癌領域です。NDA申請をした企業別の癌適応症は、下記の通りです。

会社癌のdrug target(癌の適応症)
恒瑞医薬(Hengrui)CDK4/6(乳癌)
同上AR(前立腺癌)
倍而達薬業(Beta)EGFR-T790M(非小細胞肺癌)
璎黎药业(Yingli)PI3Kδ(リンパ腫)
銀珠医薬(Yinzhu)(非小細胞肺癌)
斉魯製薬(Qilu)ALK/ROS1(非小細胞肺癌)
奥賽康薬業(Aosaikang)EGFR-T790M(非小細胞肺癌)
2021年にNDA申請されたがん治療薬一覧

なお、癌領域以外では、申請対象の疾患領域は、消化器系(GI)、糖尿病、免疫、肝炎、貧血等です。

特徴

上記の表から見て取れる通り、大部分がme-betterの新薬であって、イノベーション・レベルは未だ低い水準にあると言えます。しかしながら、同じme-betterであっても日本企業に比べると開発のスピードが速いことから先行品との距離感は短くなっています。適応症では、非小細胞肺癌が多くなっていますが、癌の新薬開発のセオリーに従って、希少癌からの臨床開発を先行させています。

中国新薬R&Dの今後

新薬申請を行う中国企業の数は年を追って増えてきています。前述の通り、新薬といってもme-betterに分類され、いわゆるdomestic drug(自国内でしか承認・販売されていない薬剤)が多くを占めているのが現状です。研究段階では、中国企業もようやく高いレベルのイノベーションを追求するようになってきていることから、中国がグローバル品の新薬の産出基地になるのは、時間の問題と理解されています。