日本でも先進的な中国企業としてその名を知られている復星グループ(复星集团,Fosun)。1992年に上海で調査会社として起業、その後、事業を発展させ不動産、医薬、投資・金融と多角化。復星グループが日本で一般に知られているのは、2015年に星野リゾートから北海道のトマム・スキー場を買収したことだろう。この復星グループには医薬事業を担う復星医薬という企業があり、新薬分野でも積極的な事業展開をしている。

復星医薬(2196/HK )の2020年度の売上げ高は約5000億円、営業利益785億円。利益の伸び率は前年比5%、日本の企業としては、それなりの数字に見えるが、2019年の利益の伸びは27%であり、中国においてこの業績数字は悲観的な観測を呼び起こしている。

中身を見てみると、主力領域だった血液関連疾患の切り離しが売上高にネガティブに働き、また、中枢神経系、感染症領域が振るわず、代謝、消化器領域、中間体原料分野の売上げ高も前年実績を割り込んでいる。他方、新分野としての「癌領域」の立ち上がりが目覚ましいものがあり、主力分野の主役交代の時期を迎えている。

また、内部統制面では、経営陣・幹部社員の離職が相次ぎ、12人が復星を去り、組織面での混乱を招いているとの憶測も流れている。

これまで復星医薬はM&Aにより事業規模を拡大し飛躍を遂げてきた経緯がある。医薬流通分野では、中国医薬集団(中国医药集团/Sinopharma group)との合弁で国薬ホールティングス(国药控股)を設立し、中国最大の医薬流通チャンネルを握っており、大きな資産価値を生み出している。また、医療サービス面でも、病院グループを買収により傘下に収め、更には医療機器分野においても、イスラエルに子会社を設立し、そこを軸に美容等の分野にも進出している。

前記の通り、転換期を迎えた今、従来のM&Aを軸にした事業の拡大路線から、実業、即ち医薬品企業としての“本業”への回帰に舵切をしていくのか、その方向性が問われている。

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